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煩雑な東電の賠償書類

枝野経済産業相は20日、東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償請求手続きについて、「分厚い書類でひんしゅくをかっている。私もあぜんとした。東電を厳しく指導したい」と述べ、東電に請求方法の改善を求める考えを示した。東電は今月、被害者向けに請求書類一式を発送し、社員による説明会も始めた。ただ、東電の賠償請求書は60ページで、記入方法を説明した「補償金ご請求のご案内」は156ページに及ぶ。過去の給与明細やホテルの領収書などの添付も必要で、請求書以外にも「同意書」などの必要書類が複数ある。専門用語も多く、高齢者などから戸惑いや不満の声があがっている。以上読売新聞

こういった記事をみて多くの人が思うこと。「被災者に余分な負担を強いる」、「もっと簡潔にしてさっさと賠償に入るべき」、「被災後のドタバタで領収書など準備できない」、究極的には「速やかに弱者を救済すべき」などといったところでしょうか。

もちろん私自身はこの賠償請求書をみていません。手引書が156ページに及ぶのは大変そうという印象はあります。しかし経産相がいう「厳しく指導したい」というのはどういうものか。

会計税務の仕事に携わる身としてはたとえば領収書の添付を要さないなどとなれば信じられません。何でもかんでも金額をその時の記憶やアバウトな思いこみ、間違い、場合によっては故意に数字を水増しするかもしれません。そうしていないと誰が判断できるのでしょう。

誤解を恐れずに言えば、被災者には善人もいればそうでない人もいる。賠償請求書で賠償請求する数字が客観的なものかどうか、それらを判断するには多少の細かい事も被災者にお願いせざるを得ない部分もあるかと思うのです。その上で、もちろんわかりやすい表現を使い最小限の分量にすべきだと思います。

もし領収書の添付を割愛などとなればどうなるでしょう。
たとえば被災者がその後の状況を把握するためにラジオを買ったとします。2800円でした。領収書をもらいませんでしたが、勘違い意図的を問わず3800円で請求することもありえます。またゼロを1つ多く請求することだってできます。なんでもできてしまうのです。
それとどういった支払いが賠償の対象になるのか。これを説明するだけでも相当の時間を要すはずです。それらが手引きの厚さの一因になっていると推測されます。

避難先で家族でお寿司やピザの出前を頼んだ領収書。これは賠償に入るのでしょうか。普通に考えれば否です。避難していてもしていなくても食事はするのですから。でもお寿司屋の領収書に被災者間の会合のための出前と書いたらどうでしょう。こういった細かい事も全て説明する必要があるはずなのです。

経産相のこれらの発言が、賠償請求の金額を算出する上で数字の客観性を失わせることにつながらないかが懸念されます。一つの案としては、希望者などに行政書士など外部の専門家などが被災者の賠償請求書の作成を代行させることです。これにより客観性を維持できるし、被災者の負担は減ります。賠償請求書の作成手数料は作成者が東電に請求する。東電にすれば別途コストがかかるように見えるものの、いちいち請求された書類を精査する必要性が減る。東電にも被災者にもメリットがあると思いますが。
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プロフィール

minato2009

Author:minato2009
・税理士石田和彦
・昭和39年(1964年)12月14日東京都北区生まれ
・1988年3月中央大学商学部経営学科卒業
・1989~1992年1月KPMGピートマーウイック国際税務事務所
・1992~1994年7月中央クーパース&ライブランド国際税務事務所
(現PWCプライスウオーターハウスクーパース)
・1995年PWC時代の友人公認会計士3人、税理士2人で港総合事務所を共同で主宰
・1999年5月同事務所内石田税務会計事務所を品川区大森駅近郊に移転
・趣味1 ジムでの水泳/冬場はちょっとお休みしてウオーキング
・趣味2 6月から9月までの鮎の友釣り,10月から1月までのカワハギ船でのカワハギ釣り,冬場のショウサイフグ釣りとその料理
・趣味3 クラッシックなカメラを集めていじること
・趣味4 オフロードバイクで林道ダート走行。
・酒味5 酒を飲むこと
・趣味6 ゴルフ(現在挫折闘病リハビリ中)

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